やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「これで文句はないでしょう。私の勝ちです。」
執事は、満足げに宣言した。
「・・・俺、ゲームの勝負って聞いていたんだけど?」
組長が、不満げに起き上がる。
「俺もだよ。卑怯だぞ、龍一!」
真木ヒナタも頭をさすりながら、起き上がった。
「・・・ヒナタさん、あなたから始まった乱闘ですよ?」
「・・・くそ、大和だけでもスタートでリタイアさせる予定なだけだったんだけどな。」
真木ヒナタが、悔しそうにつぶやく。
「・・・あの、サブさんが、まだ、目を覚まさないんですけど?」
私は、目を覚まさないサブの頬を軽く叩いてみるが、サブが目を覚ます様子はない。