やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


サブが、末席に戻ってすぐに、3台の黒塗りのベンツが道の向こうから来るのが見えた。




「皆さん、来ましたよ。」



執事が、小声で声をかける。



「・・・緊張するなぁ~・・・。」



私は、手が震えているのがわかった。



その私の震えている手を後ろから大きな手が優しく覆い隠す。



「小夜さん、大丈夫ですよ。きっとうまくいきます。」



執事が、私を優しい目で見つめる。



「・・・はい。」



私は、執事の手の中で私の手の震えが止まるのがわかった。



執事は、私の手の震えが収まったのに気づき、ゆっくりと手を離す。



そして、私と組長と真木ヒナタだけに聞こえる声で言った。



「さあ、戦いの始まりです。」




< 5 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop