やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「ちょっと長い話になりますけど、いいですか?」



執事が私を憂いを含んだ目で見つめる。



「・・・はい。」



私は、少し不安な気持ちで執事に返事をした。









華木組というのは、日本最大級のやくざ。



元々、この笹山組も大和組長の前までは、華木組の傘下の組だった。



それを、大和組長が組長になる時に、華木組の傘下を離れた。



その際に、華木組とだけでなく、笹山組の内部でも、色々と揉め事があったらしい。



揉め事というのは、命を懸けての揉め事。



当然、多くの血が流れた。



結局、最後は、笹山組が華木組の傘下を離れるという要求を認めさせ、手打ちにしたらしいが、いまだにその時の火種が、両者に残っている。






私的に執事の話をまとめるとこんな感じだった。



執事の話を聞いて、私は、サブが驚いた表情になった理由がわかった。

< 61 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop