やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・あっ・・・そうだった・・・」
やっと状況が飲み込めて、安心するもつかの間、横を見ると、そこには執事が立っていた。
「あ・・・・。」
言葉に詰まる私。
「どうやら起きられたようですね。それでは、着物の先生がお待ちですので行って下さいね。」
呆然とする私に告げて部屋を出て行く執事。
私は、執事が部屋を出ると、すぐに部屋の鏡台の前に行く。
予想通り、私の顔には目ヤニがついている上に寝起きで、むくんだ表情をしていた。
「・・・・・はぁ~・・・・」
朝早々、私は、恥ずかしいやら、悔しいやらで重い気持ちになる。
(明日からは、絶対に自分の力で起きるぞ!)
と、心に誓い、私は、簡単な準備をして、着物の着付けの先生が待つ部屋へと向った。