やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「龍一さん!これ見てください。まるで私じゃないみたい!」
私は、興奮して私が映っている鏡を指差しながら叫ぶ。
「小夜さん、そんな鏡の中の小夜さんではなくても、私にはしっかりと綺麗な小夜さんが見えていますよ。」
執事は、優しい微笑みを浮かべて、私を見つめる。
「龍一さん・・・」
私は、恥ずかしくなって、執事から視線を逸らした。
「それでは、次に行きましょうか。」
「次・・・ですか?」
「はい。次は、茶道です。」
執事は、私に告げると部屋を出て行く。
私も、執事の後ろをついて歩いていった。