やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・そのためにやったんですか?」
私は、背中の真木ヒナタを見た。
真木ヒナタは、うれしそうにうなずく。
私は、もう一度、組長の顔を眺める。
見事なまでに、真っ黒に塗りつぶされていた。
「確かに・・・・マックロクロスケ。」
私も、思わずつぶやく。
「んっ?んんんっ?」
そんな私に組長が、顔を近づけて来た。
「これは、これは、俺としたことが、こんな着物美女がいるにも関わらず、挨拶が遅れまして。私が、この屋敷の主人の笹山大和です。」
組長は、片膝ついて、私の右手を取ると、右手の甲にキスをする。
私は、いきなりのことで顔が一気に赤に染まる。