やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「小夜さん、こんなところでどうしたんですか?」
執事は、私に気づき声をかけてきた。
「・・・あっ、はい。・・・その、ちょっと迷子に・・・。」
私は、少し恥ずかしくて顔が赤く染まる。
「そうですか、この屋敷は、無駄に広いですから、仕方がありませんね。」
執事は、少し笑いながら答えた。
「はい。すいません・・・。」
「そうだ。よければ小夜さんも見て行きませんか?」
「何をですか?」
執事は、私の問いに夜空を見上げた。
「お月様ですよ。見てください・・・・綺麗な満月です。」
私は、執事に言われ、空を見上げる。