やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「うまい!」
あっという間に、徳利の中のお酒を飲み干す組長。
「組長、満月も見ないと。綺麗なんですよ。」
私は、組長に教えてあげた。
私自身、執事から教えてもらったことだったけど。
「おう!見事な満月だな・・・・・・・あれ、龍一、昔、こんな感じで満月を3人で見上げたことなかったっけ?」
組長が、急に何かを思い出し、執事を見た。
「・・・そうですね。・・・ありましたね。・・・・あの時は、川原で、私と大和と大和のお母様でしたが・・・。」
執事は、懐かしそうに満月を見上げる。
「・・・組長のお母さんって・・・?」
私は、組長を見る。