やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・そうだなぁ~・・・手が早くてな・・・俺や龍一もよく殴られたんだよなぁ~・・・」
組長は、上を向いて思い出しながら話す。
「・・・そうでしたね。中学生の頃は、よく大和のお母様に殴られましたね。」
執事も思い出したのか、笑い始める。
「あ、あの・・・組長と龍一さんの中学の頃って・・・どんな感じでした?」
私は、今の2人からは、とても想像できない中学時代を聞いてみたくて、たまらずに話に割り込む。
「中学時代?」
「中学時代ですか?」
組長と執事は、私の言葉に顔を見合わせる。
そして、それからゆっくりと組長と執事の昔の話を語ってくれた。
私は、持っていたお団子を食べるのも忘れて、その話に聞き入っていた。