元不良の青春物語
入学式は何の問題もなく進んでいた。
ちなみに今は、
校長の長くて、
ありがたくないお話の真っ最中。
あくびが出そうになる。
でも抑える。
というか、かれこれ1時間はやってませんか?
足が麻痺してきたけど。
ちょっと校長に殺意を覚える。
というか、こんなのに我慢できる
皆さんに尊敬。
「なあ、この校長の話長くねえかぁ?」
隣の男子が小さな声で話しかけてきた。
確か、こいつは同じクラスの
坂本 煉。<サカモト レン>だった気がする。
ツリ眼。茶髪のツンツン頭。
制服なんてもう着崩してる。
中学ん時に
どっかで見たような顔だった。
てか何でこんな奴が
私に話しかけてきてんの?
どう見ても
地味な感じにしてきたつもりなんだけど。
そんな疑問を抱きながら
坂本 煉に顔だけ向けて
「だよねー。足が麻痺してきちゃった。」
って言う。
慣れない、
普通のあんなの子が使うような言葉使い。
今にも、
不良のときのような話し方になる。
「後で、一緒に部活見ない?
『椎名』さん。」
突然、不良のときに使っていた、
名前で呼ばれた。
「・・・・。なんのこと?」
平然とした顔でそういった。