元不良の青春物語
煉は、どこか、
悲しそうな顔をしていた。
私、何か、した?
あ。もしかして、
脛とかまだ痛いのかな?
ちょっとやりすぎた?
「あの、ごめん、ね?」
一応謝ってみた。
「ぇ?何が?」
案の定、予想していた答えが返ってきた。
「思いっきり蹴ったりしたから、
まだ痛いのかな~。って。」
「ううん、違うよ。」
「じゃあ、何であんな顔をしてたの?」
「それはね・・・」
「椎名さああああああん!」
校舎のほうから
凄い勢いで織が叫びながら走ってきた。
おかげで全ての視線が私に集中した。