元不良の青春物語
ミッション2:脱出
「お。迷子の子猫ちゃんはっけーん。」
背後から聞こえる、
低く、おちゃらけた声。
振り向くと、
一人の男子生徒を筆頭に、
十数人の男子が出入り口に立っていた。
おちゃらけた声を発したと思われる
筆頭の男子生徒以外、
私を見て驚いていた。
「あ、土足。
いけないんだー?」
「そーゆうあんた等も土足だけど?」
ツッコむ。
男子生徒はあちゃーって顔をして、
「ま、いんじゃない?」
と、流した。
「で、君は、
そこのライオンもどきのお迎えかな?」
何故か不意に場の空気が冷たくなる。
「そーですけど、何か?」
威勢よく言い返す。
「困るんだよねぇ?
勝手に連れて帰ってもらっちゃぁ。」
おちゃらけた声とは裏腹に、
冷たい表情と、視線。
一瞬で、
【強い。】と判断した。