いつでも逃げられる
ガサガサと、ビニール袋を探るような音。
「ごめんね。山奥だから、こんなものしか準備できなくて」
更に包装を剥がすような音。
どうやらコンビニのお弁当か何からしかった。
彼は食事の準備を終えた後、私に言う。
「加奈子ちゃん、これから口に貼ったガムテープを剥がす。分かってると思うけど…大声を上げたらご飯抜きになるのは勿論、乱暴な事をしなきゃならなくなる…そもそも騒いだ所で、ここは人が滅多に寄り付かないような山奥の廃屋だから…無駄な事はしないでくれ。いいね?」
男が念を押すように、釘を刺すように語り掛けてくる。
私は頷くしかない。
騒いで助けを呼ぶ事よりも、騒ぐ事で男を怒らせ、乱暴される事の方が怖かった…。
「ごめんね。山奥だから、こんなものしか準備できなくて」
更に包装を剥がすような音。
どうやらコンビニのお弁当か何からしかった。
彼は食事の準備を終えた後、私に言う。
「加奈子ちゃん、これから口に貼ったガムテープを剥がす。分かってると思うけど…大声を上げたらご飯抜きになるのは勿論、乱暴な事をしなきゃならなくなる…そもそも騒いだ所で、ここは人が滅多に寄り付かないような山奥の廃屋だから…無駄な事はしないでくれ。いいね?」
男が念を押すように、釘を刺すように語り掛けてくる。
私は頷くしかない。
騒いで助けを呼ぶ事よりも、騒ぐ事で男を怒らせ、乱暴される事の方が怖かった…。