いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
『えぇと,お父様と,旦那様ですね。衣緒李さんのことですが…』
『たいしたことないですよね?』
皐樹さんが口を挟む。
『今わかっている段階で言うと…おそらく,良くない状況です』
『どういうことですか?』
『もってあと1年でしょう』
1年?
…1年?
『衣緒李さんの病気は,まだ確実な治療法が見つかっていないんです。記憶の一部が無くなっているのも症状の一つなのでしょう。病名は…』
医師の口から発せられた
病名を聞いて,
俺は唖然とした。
李砂奈を苦しめた
病魔だった。