いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ

---------------------------

どんなに日々が辛くても
時間は同じよう流れるわけで、

ペナントレースも
いよいよ終盤に
差し掛かっていた。

現時点で、ドルフィンズは2位。
次が最後の試合で
首位とは0.5ゲーム差。


大接戦だった。


とりあえずは3位以内に
入ればいいのだが、
できることなら
やはり1位が望ましい。


打順は俺が5番、
勇人が3番と
少し入れ代わっていたが、
特に問題ない。


自分のやるべきことを、
やるだけだ。


『お前らもわかっている通り、
 今日は最後の試合だ。
 もう何も言うことはない。
 先発は西野でいく、
 悔いのないようにやってみろ!!』


『『『はい!!』』』


監督の一言に、
俺達は一つになった。


絶対に勝つ。

なんとしてでも。



『西野、楽に楽に!』

『お前なら大丈夫だっ』


皆が西野に声をかける。

がちがちながらも
西野は笑ってみせてくれた。


『俺、負ける気しないっす』


『いいぞいいぞ!』

『その調子だっ』


みんな楽しそうだった。


絶対1位通過できる。

誰もが確信していた。



『よっしゃ、締まっていこっ!!』


桜井さんの一言で、
試合はスタートした。




< 106 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop