いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
『あの日な…,スタジオに元カノおってん』
元カノ…?
そうだよね。
勇人モテるから,
過去に何人居ても不思議じゃない。
『それとこれと,何の関係があるのよ』
『そいつ,ストーカーやってん』
『……は?』
『学生のときに付き合っててんけど,俺がプロ入ったて分かった途端,付き纏われて…』
そんなの。
気配すら感じなかった…
『その子,あたしのこと知ってるの…?』
『言えるわけあらへんやろ!そんなこと知ったら,あいつ衣緒李に何するかわからへんし…やからあんな嘘ついて,ごまかした。ごめんな』
『そんな,あたしの方こそなんか…勘違いしちゃってごめんね』
言い終わる前に,あたしと勇人の唇が合わさる。
唇の間から舌が入り,這うようにあたしの歯をなぞる。
『……んっ』
あたしもそれに応えるように,勇人の舌をくわえる。
じっとりと長く,熱いキス。
『はいはーいそこまでっ』
『?!?!』
びっくりして振り返ると,そこにいたのは西野選手だった。
西野さんは勇人のチームのエースだ。
『何スか西野さぁん…びっくりさせないで下さいよぅ』
『よぅ勇人〜盛ってんなぁ!!せめて寮の中でやれ,中で!!でもいいなぁ,俺も彼女欲しいなぁぁ』
西野さんて…なんか可愛い。
『あっIOちゃん今度サイン下さい!あと,万が一勇人と別れたら俺とか越智の相手してね♪』
『///!!』
『西野さんっ怒』
『ごめんごめん勇人,冗談だって。じゃ,またね〜』
変な人だなぁ。
『じゃ,衣緒李,行こっか』
『うん』
勇人があたしの手を握り,勇人の部屋へと向かった。