いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
2.
『そや,プレゼント買い行かへん?』
『プレゼント?』
今日は,2人で過ごす最初のクリスマスだ。
『俺が買っといてもよかってんけど,やっぱ2人で選んだ方がいいかなって。何欲しい?』
うーん。
あんまり考えて
なかったなぁ…
そぉだ!!
『おそろのアクセがいい!!お互いが,お互いの買おうよ』
途端に勇人がムッとした顔になる。
『えぇけどぉ…クリスマスやのに男に買わさせてくれへんの?』
『あたしだってプレゼントしたいもん!!お給料だってもらってるし,何よりあたしがあげた方が,勇人大事にするでしょ?』
『確かになぁ。ん,わかった!じゃ,そのかわり飯は俺が連れてくからな』
『うん!!』
予想はしてたけど,クリスマスはやはりどこの店もカップルだらけ。
『この店にしよっか』
あたしが選んだのは,その中でも空いている店。
『おぉ。なんか,衣緒李らしいな』
『そ?』
『空いてるから』
『なるほど。あはは』
『いらっしゃいませーっ』
店員の元気に押される。
『で,衣緒李はなにがえぇの?』
『うーん。リングがいいかな。なんかこう,ゴッツい感じの…』
『それでしたらこちらはいかがですか?オススメですよぉ』
ぬ…盗み聞き?!
『お!俺これ好きやわ。衣緒李は?』
『か…かっこいい!!イイかも!!』
そのリングはブラックの龍をモチーフにしたようなデザインで,どこか鋭い感じのするものだった。
『じゃ,決定な!』
こうしてあっさり決まったプレゼント。
店を出てすぐに,お互いがお互いの右手の薬指にはめた。
『いいかも…!』
『俺も気に入ったわ!衣緒李,なくすなよ』
『なくさないよっ!』
と,そのとき。