いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
ピンッ ポ―ン
インターホンがなる。
『は―い』
『遠山です』
…来た。
『今,開けます』
マンションのオートロックを解除すると,いてもたってもいられなくなってあたしは部屋の外へと出る。
ヴ―…ン
エレベーターの音がする。
ウィ……ン
『こんにちはっ』
中から遠山さんが出てくる。
『こんにちは。どうぞ』
あたしは部屋へと招き入れた。
『いいとこだね。眺めも最高じゃん』
『部屋に上げたこと,絶対誰にも内緒にしてくださいね?あ,何か飲みます?』
『何があるー?』
『えっと,ミルクティーとストレートティーとパッションフルーツティー,それとコーラ,レモンサイダー,コーヒー,オレンジ,グレープ,ジャスミンティーありますよ』
冷蔵庫に入っていたモノを全部言った。
『…多過ぎじゃない?』
『現場でよくいただくんです。あたし,炭酸どころかジュースすらあんまり飲めないんで,溜まるんですよね』
『そうなんだ。じゃぁレモンサイダーで』
『はーい。どうぞ』
『………っは―!美味!レモンサイダーとか何年ぶりだろ』
『で…教えてもらえますか?勇人の過去に,何があったのか』
コトッとグラスを置き,真剣な表情になる遠山さん。
『あのな,衣緒李ちゃん…信じられないかもしれないけど,あいつ,一時期対人恐怖症になってて,人間不信だったことがあるんだ』
『人間…不信…?』
何それ…?!