いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ


い,今
なんて言ったの…?


『…嫌?』


『全然嫌じゃないです!むしろ嬉しすぎますっっ』


『よかった。じゃぁまた,後でね』


そういって中村選手はあたしの楽屋を後にした。


うへぇえぇぇええぇえ?!

これってもしかして…



で,で,でーと…?!?!


どーしよう…
緊張するよぅ…!!

ソッコーでマネージャーに電話。


『もしもし,謙ちゃん?!』

『おー衣緒李か。どーした?上手くいったか?』


『今日一緒にどっか行くことになっちゃったっ…』


『はぁっ?!?!』


あたしは謙二に今あったことを話した。



『そっか…まぁ,よかったじゃん?今日はもうお前あがっていいから楽しんでこい!
…くれぐれも,撮られるんじゃないぞ』


『はぁい。じゃね』

『おう』


電話をきる。

……ふぅ。
てか,今からどうしよ。


もうあがっていいって言われたしなぁ。


そうだ!!

中村選手にメールしてみよ!!



――――――――――――――
件名:早速すみません
本文:IOでーす
あの,あたしもう
フリーになったんですが
どうしたらいいですか?
――――――――――――――

よし。


送信,っと。


あぁ…でも
緊張するなぁ…


ヴーッヴーッヴーッ


返事はやー!!


――――――――――――――
FLOM:中村選手
件名:わかった
本文:今から俺も行けそうやか
らちょい待ってて!
すぐ迎え行くな
――――――――――――――


なんか…

なーんか…



カップルみたいじゃない?!?!

思わずニヤけてしまう。


さて。
荷物もまとめたし。


あとは中村選手を待つだけだ。


楽屋をあとにして数分後,大好きな声が聞こえてきた。


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