いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
『じゃぁ俺はとりあえず生。…と,ウーロン笑』
越智さんはちらっとあたしを見る。
『そだ,IOって未成年だっけ。でももう19だろ,20と変わんないじゃん。いいよいいよ,チクんないから今日だけ飲みなっ』
そういって笑う聡志さん。
あぁ……
なんてかっこいいんだ……!!
『じ,じゃぁ,あたしも生でっ』
『衣緒李ちゃん聡志に惚れんなよっ。こいつ結婚してるから』
『おめ余計なこと言うなっ笑』
…なーんだ。
つまんないの。笑
『……ねぇ,衣緒李ちゃん』
『はい?』
いつになく真剣で,悲しい表情の越智さん。
『聞いたよ…勇人のこと…』
『……やっぱり,ですか。越智さん優しいから,あたしのこと心配して今日誘ってくれたんですよね。ありがとうございます』
『そんなんじゃないよ』
…え?
『俺はずっと衣緒李ちゃんと飲みたかった。でも勇人がいたからできなかった。そして今こうやってチャンスが来た。だから誘った。そんだけ』
そう言ってグラスを口に運ぶ越智さん。
……そんな嘘,見え見えだよ。
あたしは少し笑った。
不器用な人,なんだな。