いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
数時間後。
『おい,弘樹…いくらなんでも飲みすぎだぞ。お前スポーツマンなんだから体は大事にしろよ』
聡志さんが心配するのも無理はない。
あたしは最初の生とチューハイ2杯くらいだけど,越智さんはもう生2杯に焼酎を1升近く呑んでいる。
『俺は酒強いからいーのぉ』
確かに,そんなに酔ってはなさそうだけど…
『そういう問題じゃないですよ!!明日は試合ないかも知れないけど,明後日に響いたらどうするんですかっ!!!』
『ん〜…』
『今日はもう,このくらいにしときましょうよ』
『……わかったっ』
ちょっとしぶしぶ感あるけど。
言うこと聞いてくれてよかった。
『じゃ,出ようか衣緒李ちゃん』
『ですね。いくらですか?』
『いーよ,今日は俺が出すから』
うへぇ?!
『そんな,だめですよ越智さん』
『いーの,今日は俺が誘ったんだからさ。おとなしく奢られてよ』
『でもっ』
『いいからっ。俺金だけは持ってんだからさ笑』
ふう。
いくら言っても駄目そうだな。
『じゃぁ…今日だけお言葉に甘えて』
『そうこなくっちゃ』
支払いを済ませ,2人で店を後にする。
『どうしよっか,今から…』
時計を見ると,11時過ぎ。
『もうちょっと家には帰りたくない…です』
あの家に戻ると,どうしても勇人を思い出してしまう。
『じゃあさ…,
俺ん家くる?』