いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ


『寝ましょうかね,そろそろ』


時刻は2:30。


『じゃああたしその辺に転がってるんで〜タオルケットかなんか貰えませんか?』


『だめだよっ』


……えっ?だめ??


そう言うと越智さんはベットに飛び乗った。


『おいで』


『えぇっ?!』


『衣緒李ちゃんを風邪ひかすわけにいかないし。ホントに何もしないって』






うーん…

ここで断っちゃうのも失礼なのかなぁ…


ここは素直に…




『じゃあ,し,失礼しま…え?!』




う…う…


腕まくらですって?!



『越智さんっっ』


『何?いいじゃん,今日ぐらい。』


ゔ―…


『……じゃぁ,お言葉に甘えて』


あたしが素直に腕に頭をのせるのを確認すると,越智さんはすぐに眠ってしまった。







………あたし,何してるんだろう。


どうして隣に寝てるのが…


勇人じゃないんだろう…


そう思うと,無性に悲しくて,虚しくて,


涙が止まらなくなった。



『ふ…ふぇ…っ…ん…』




声を押し殺して泣いていると,
越智さんがボソッと寝言を言った。



『…………リサ……』







あたしはハッとした。



あたしだけじゃないんだ。


失恋して,苦しい思いをしてる人なんか
たくさんいるんだ。


越智さんも,
きっとあたしと
おんなじなんだ………。





めそめそしてたらダメだ。
強く,ならなきゃ。





< 45 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop