いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
翌日,あたしは
越智さんに起こされた。
『衣緒李ちゃん,朝だよっ』
『ん…おはようございます…』
…あれ?
どこからともなく
なんだかいいにおいが…
『朝飯できてるよ〜』
『えっ越智さん料理するんですか?!』
『うん,ちょっとはね。ホントは作ってくれる嫁さんが欲しいです笑』
料理がほとんどできないあたしは
なんかちょっと
恥ずかしかった。
『出来たよーはいっ』
メニューは
トースト,ハムエッグ,ソテー。
『『いただきま―す』』
『…おいしいっ!!』
あたしの作る目玉焼きと
こんなにも卵の味が違うのは
どうして?泣
『当たり前じゃん。作ったの俺だよ?』
越智さんは無邪気に笑った。
『ごちそうさまでしたー』
『あっ衣緒李ちゃん,もう帰る?』
『はい,そろそろおいとまします』
さすがにこれ以上,長居はできない。
『じゃ,ジャージそこの洗濯機の中に入れといて〜』
『何から何まですみません…』
あたしは支度をして越智さんを出ようとした。
『クゥ〜ン…』
…そうだ,こいつにもあいさつしとかなきゃ。
『サンドロごめんね,今日はもう帰るよ』
ちょっと寂しそうな顔のサンドロはとてつもなくかわいかった。
『またコイツにあいにきてあげてよ,衣緒李ちゃんに懐いてるみたいだから』
越智さんがサンドロを抱え上げて言った。
『はい,また遊びに来ますね!!じゃぁ…お邪魔しました』
『またね』
こうしてあたしは越智さん宅を後にした。