いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
案の定8分ほどで着くと,桜井さんはもう中に入って座っていた。
『桜井さーん』
あたしが呼ぶとすぐに気付いてくれ,向かいあう形で席に着いた。
『で,話って何ですか?』
『そう焦らないでよ。渡邊さんも何か頼んだら?それ飲みながら話そう』
桜井さんはコーヒーを飲んでいた。
『そうですね。…すみません,ホットコーヒーひとつ』
『かしこまりました』
5分もしないうちに,湯気のたったおいしそうなコーヒーが運ばれてきた。
あたしがそれを一口飲んだところで桜井さんが口を開く。
『これ,見てほしいんだけど』
『これって……プリクラですか?』
桜井さんが差し出したのは一枚の小さなプリクラだった。
幸せそうなカップルが写っている。
何の変哲もない,ごく普通のプリクラ。
『これが,どうかしたんですか?』
『写ってる人よく見て』
そう言われて確認すると,
男は越智さんで,
女は…
………………あたし?