いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
その日は,別にどこにいくでもなく,2人で町をぶらぶらした。
ちょっと買い物したり,ご飯食べたり。
それでも,あたしには十分すぎる程幸せだった。
時間はあっという間にすぎ,既に時刻は夜10時すぎ。
『衣緒李,時間大丈夫?』
『うん,まだ大丈夫だよ』
小さな気遣いも,嬉しい。
けどあたしはもっと
勇人と一緒にいたいから。
『最後にちょっと,行きたいとこあんねんけど…えぇかな?』
『え?うん』
行きたいとこあるなら…
もっと早く言ってよ!!
とか思いながらついてっちゃう
自分バンザイ。
あたしの手首を握って,勇人は早足で進む。
『ちょっ…勇人待っ』
『衣緒李目つぶれっ』
『へっ?!何で』
『いいからっ』
言われたとおり,目を閉じる。
すると勇人が…
あたしをひょい,と抱えた。
『ちょ,ちょっと何すんの?!信じらんないっ降ろしてー泣!!』
『だーめ!目ぇ開けんなよっ』
どこ連れてく気ですか?!
ちょっと怖い…かも…