いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
『着きましたよ』
気がつくと,目の前にはプール付きとまではいかないものの,とてつもなく大きな家が建っていた。
『どう?あたしの家』
『いや,もう凄いとしか言えない…』
『あはは。じゃ,どーぞ』
『おじゃまします』
衣緒李がドアをあけて中へと入ると,2人の男が出迎えてくれた。
『お―衣緒李!!久しぶり』
『なんだお前,生きてたんだな』
『ただいまっ。おかげさまでちゃんと生きてますよーだ』
使用人ではなさそうだ。
しかもかなりのイケメン…。
『あっ紹介するね!!こっちの眼鏡が長男の慈樹(イツキ)で,この茶髪が次男の達樹(タツキ)』
『はじめまして,越智弘樹っていいます』
『ふーん,衣緒李の彼氏ねぇ。あ,慈樹ですよろしく!』
慈樹さんが面白そうに俺を見る。
『達樹でーす。てか弘樹君って…ドルフィンズの?』
『あ,はい』
『うお―!!すげぇえ!!衣緒李最高!!弘樹君あとでサイン下さいっ』
達樹さんは相当興奮しているようだ。
『てか,何気たつ兄と弘樹タメだよ。23歳。だから仲良くしてあげてね,弘樹』
何て言うか…
凄い家族だ……。