いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ


『でも,衣緒李の彼氏なんて父さんなんて言うだろうな。ショックで飯食えなくなったりして笑』


慈樹さんの鋭い一言。


『いつ兄!!弘樹ビビらせるのやめてよぉ』


『俺は超嬉しい!!だってプロ野球選手が弟って凄くねぇ?弘樹君,どうせ会社は兄貴が継ぐから,婿養子〜とか考えなくていいからね!!』


『あ…はい』


『タメ語でいいよっ』




達樹君…盛り上がってるな(笑)


『父さんもうちょっとしたら帰ってくると思うからさ。それまで衣緒李,その辺で遊んでれば?』


『そうしょっかな。じゃぁいつ兄さ,パパ帰ってきたら教えて』


『うん』


慈樹さんに促され,俺も衣緒李についていった。




『ねぇ,どこ行くの?』


『あたしの1番好きな場所だよ。弘樹にも見せてあげる』


言われるがままに着いて行くと,噴水のある場所に着いた。


『凄い噴水だな。ここってもしかして…まだ衣緒李の家の庭なの?』


『そうだよ?』


おいおい。
いくらなんでも
広すぎるだろ。汗



『この辺りにはひまわりがいっぱい咲くんだよ。まだ時期が早いから咲いてないけど,あたしこの噴水のまわりに座ってひまわり見るのが好きなんだ』


ここが,
衣緒李のお気に入りの場所。


夏には一面
ひまわりが咲くというその場所は,
春先の今では
なんだか寂しく見えた。



…早く夏が来ねーかな。




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