いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
不意に,辺りに生い茂ったひまわりの葉が揺れた。
『……衣緒李?』
『悠ちゃん!!』
草むらの中から出てきたのは,20歳くらいの青年だった。
『久しぶりだね―悠ちゃん元気してた?』
『おぅ。てかお前…
帰って,きたんだな』
『うん。ついさっきね』
『俺が迎えに行くって言ったのに旦那様の許可降りなくてさ。で,そっちの人は?仕事関係の人?』
彼の視線が俺に投げかけられる。
『こちらは越智弘樹,あたしの彼氏だよ。弘樹,こっちは瀬戸悠希,うちの庭師の息子さんで,よく庭仕事手伝ってるんだ』
『越智弘樹です,よろしく』
『そうそう,うちの親父も衣緒李に会いたがってたからあとで挨拶してやってな〜』
ん?
今,シカトされた?
『了解〜』
『それとさ,あっちに新しくハナミズキ植えたんだぜ。俺が育ててんだ。綺麗に咲いたから見てこいよ』
『本当?弘樹,あたしちょっと行ってきていいかな』
『うん』
『じゃ,すぐ戻ってきまーす』
そう言うと,衣緒李はすぐに走っていった。
俺と悠希君の2人が残される。