いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ

1.



あれから1ヶ月。


シーズンも終わり,会える日も増え,あたしたちは順調だった。


ある日,何気なくテレビをつけると


『あ,勇人だ』


たまたま放送されていたスポーツ番組でMCに絡まれていたのは紛れも無くあたしの愛しい人。


『出るとか,聞いてないよ』


その日まではいつも勇人は,


何月何日何時に●●の局の番組に出る


まで,きちんと教えてくれてた。


こんなのは初めてだ…


嫌な予感が胸をよぎる。


『え〜と中村くん?シーズン中はえらい活躍やったやないの。え?』


『あはは,そうですか?ありがとうございます』


『ん?お前,なかなかイケメンやなぁ。彼女とか,どうなん?』


『彼女ですか?今,いないですね』













…え?

今,いないって言った…?


いやいや,ごまかしてるだけかも…


無理矢理自分に言い聞かせる。


『おらへんのかぁ?またまたぁ。狙てる人くらいおんねやろぉ?』


『そうですね〜…』



…止めて。
もう,それ以上は
聞きたくない…


『強いて言えば,背の高い年上の人が好きですね』




『……っっ』


年下で身長155センチのあたし。

……大ハズレじゃんか。


どういうことなの…??




< 7 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop