いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
1.
あれから1ヶ月。
シーズンも終わり,会える日も増え,あたしたちは順調だった。
ある日,何気なくテレビをつけると
『あ,勇人だ』
たまたま放送されていたスポーツ番組でMCに絡まれていたのは紛れも無くあたしの愛しい人。
『出るとか,聞いてないよ』
その日まではいつも勇人は,
何月何日何時に●●の局の番組に出る
まで,きちんと教えてくれてた。
こんなのは初めてだ…
嫌な予感が胸をよぎる。
『え〜と中村くん?シーズン中はえらい活躍やったやないの。え?』
『あはは,そうですか?ありがとうございます』
『ん?お前,なかなかイケメンやなぁ。彼女とか,どうなん?』
『彼女ですか?今,いないですね』
…え?
今,いないって言った…?
いやいや,ごまかしてるだけかも…
無理矢理自分に言い聞かせる。
『おらへんのかぁ?またまたぁ。狙てる人くらいおんねやろぉ?』
『そうですね〜…』
…止めて。
もう,それ以上は
聞きたくない…
『強いて言えば,背の高い年上の人が好きですね』
『……っっ』
年下で身長155センチのあたし。
……大ハズレじゃんか。
どういうことなの…??