いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ


バスに乗って数分,勇人の住む寮につく。


『IOちゃんだ!』


まず,気さくに声をかけてくれたのは越智選手だった。


越智さんは勇人のチームの4番打者だ。


『あっ越智さん!お久しぶりです』


『どうしたの?そんな怖い顔して歩いて。勇人に会いにきたんじゃないの?』


『まぁ,そうなんですけど…』


『まさか上手くいってないとかじゃ…ないよね?』


『ち,違いますよっ』


さっきの勇人の発言がフラッシュバックする。


あたしは平静を装った。


『ほらっ口角あげて!そんな顔じゃ勇人が悲しむよ。また,ロッカー整理してあげなっ』


越智さんて…いい人だなぁ。


で,あたしがあの汚いロッカーを整理するのは決まってんのね笑。


そのとき,視界に勇人の姿が写った。


『勇人っ…』


『なんやねんお前。俺めっちゃ逢いたくて待ってんのに,何で越智さんと楽しいそうに喋ってんねん…』


あら?
いじけてる…


っていやいや!!


今日はガツンと言ってやらなきゃ。






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