いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ
11.
その年のオフ。
俺達は結婚式を挙げた。
俺もそこそこ稼いでいたし,
皐樹さんのこだわりや援助やらで,
もの凄い盛大な式になった。
悪い気はしない。
『おめでとう!』
『きれいよ』
『お幸せにね』
誰もが祝福してくれ,
本当に幸せだった。
そのとき,背後から
一際大きな声。
『『越智さん,衣緒李ちゃん,おめでとうございます!!』』
振り返ると,ドルフィンズの
集団がいた。
ほぼ全員って言ってもいいほど
たくさん来てくれていた。
『お前ら,トレーニングは?』
『何ふざけてんすか!越智さんの大事な日に体鍛えてなんかいられないっすよ〜』
西野が笑う。
『いいなぁ…俺も結婚したいっす』
羨ましそうな大二郎。
『てか越智,写真撮ろうぜ!』
桜井さんの提案で,
俺たちは皆で写真を
撮ることにした。
『衣緒李ー!皆で写真撮っ…』
衣緒李の方を見ると,
誰かと楽しげに話している。
…勇人だった。
『あっ写真?今行くー!ほら,勇人行こっ』
『おう』
『撮りますよー!はい,チーズ』
『ありがとうございましたー』
『じゃあ越智,また後でっ』
『はいはーい』
皆はそれぞれ散っていった。
俺と衣緒李は
二人になった。