いつの日かきっとまた逢おう。その時まで,ほんのちょっとのあいだだけ…サヨナラ


結婚式も無事に終わり,
俺達は新生活の準備に
取り掛かる。


とは言っても同棲していたし,
特別なことはしないが。



いろいろ落ち着いたら
引っ越すつもりだ。




俺は突然ながら,
ずっと気になっていたことを
衣緒李に尋ねた。


『新婚旅行,どうする?』



出来ることなら
俺のオフのうちに
済ませておきたかったのだ。


『あ…実は,
 そのことなんだけど…』


衣緒李の表情が暗くなる。


…嫌な予感。



『ちょっと仕事でいろいろあって…時間できるの,弘樹のオフが終わってからかも…』






テンション,がた落ち。


『そっか…仕事ならしょうがねぇな』


『ごめんね』




こういうことは
覚悟して結婚したわけだし…


始めからわかってたこと…



でも!!



新婚早々はきつい。


『ほんとにごめんね。
 怒った…?』


衣緒李が申し訳なさそうに
聞いてくる。


どうやら俺の感情は
顔にでていたようだ。


『怒ってないから,気にすんな!ただし,いつか埋め合わせはしてもらうから覚悟しとけ』


『は,はいっ』





頑張って,
来年のオフまで
耐え抜こう。


そう思っていた矢先。
俺はとんでもない記事を
目にすることとなる。





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