空の声
季節は夏
屋上のドアをあけると
熱風が吹き荒れる。

あたし、ここで死のうとしたんだ・・・

そう思うとなんだか
不思議だった。
学校の屋上のように
入り口の部分が
小さな小屋のように
なっているので
あたしはその上にのぼり
ねっころがった。
太陽が眩しい、、

・・・知らない間に
寝てしまったらしい。
寝たまま携帯を見ると 以外に時間はたってなく11時だった。

そこへ、携帯とは違う
別の大きな影が
覆いかぶさる。

「何やってんの?」
声的に男の子。たける?
「昼寝と暇潰し」
ねぼけた声で答えると
男の子はつまらなそうに
「ふぅん」
とだけ言って黙ってしまった。
眩しくて顔がよく見えない。たけるではなさそう。
あたしが声をかけようとしたその時、
「俺も寝よ」
男の子があたしの横へと
寝そべった。
横を見ると、黒髪でスポーツマン的な黒い肌の男の子だった。やんちゃなガキって感じもする。
「空さぁ、綺麗だよなぁ」
「そうだね。」
なぜか親近感が湧く。
「ねぇ、名前は?」
「空。神月空!」
空?最初に空の話をしていたせいか、理解できなかったが、あっそういう事かと思い返事をかえす。
「綺麗な名前だね。」
「あんたは?」
「愛だよ。」
さっきとは違う、はにかみながら空は
「ふぅん」
と言った。



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