空の声
校門の前にいるってメールで言ってたけど・・・。
あっ、いた!
「たける−!!」
思いっきり手を振る。空の手をひいて、たけるの元へと急ぐ。
「ごめんねっ。遅れて。」
「全然。」
空の腕をつかむあたしの手を見る。
「あっ、これね、神月空だよ。今日転校してきたの。空の空だよ。」
あたしは赤みになってきている空をを指差す。
たけるは繋がれていた手から徐々に上を見てって顔を見て止まった。
「そ、ら・・・?」
「うん♪漢字も空だから紛らわしいよ。」
あたしは笑っていたが空とたけるの間には妙な空気が流れているのがあたしでもわかった。
「空か。わりぃ、友達に似ててつい見入っちゃったよ。」
「まじっすかぁ。まぁよろしく。」
そんな空気はいつの間にかなくなっていた。

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