空の声
トライアングル
部屋に入りあたしは無言。
「愛〜?生きてる?」
無言を続ける・・・。
「怒ってる?」
顔を覗き込む空。すごく心配そうな瞳。きゅんとなる心臓。
深くため息をつく。
「怒ってないよ。びっくりしただけ。」
それを聞くとにんまりと笑う空。ベットに座るあたしの横に座る。
たけると3人でいるときは忘れてたけど、あたし達、キス・・・したんだもんね。意識しないわけがない。でも正直、一人でいる孤独感がなくて少しだけ安心。
「キスした事、思い出してんでしょ?」
意地悪気に笑う。
「なっ・・・!!」
考えをよまれてた事に赤面する。
「愛かわいい。」
顔が近づく。
「ちっ、近いからっ。」
急いで背けるが、空が手でそれを阻止する。
「3回目、しちゃう?」
完璧に空のペースに流されている。
「すっするわけないでしょ!」
めげずに空の瞳を見返す。
「つっえぇ女。」
あたしの顔を自分の方に向けていた手を離した。
「第一、キスは付き合ってる人がするもんだから!」
「けちだなぁ。」
その言葉になぜか胸がチクリと痛む。
誰でもいいの?キスするなら、誰でもいいの?
「キスするなら誰でもいいの?」
視線を落とし返事をしない。
「ちょっと!!」
空の顔を覗き込む。すると、さっきまで下げていた視線をあたしに向ける。驚いて離れようとしたがその前に腕を引っ張られ唇を強くふさがれる。

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