空の声
「何?感じちゃった?」
「ちっ、違うから!くすぐりに弱いだけだもんっ。」
空はそれを知って、余計に体をなでまわす。
ブレザーを上にあげ、背中にキスをする。
「や、やだってば!!」
仰向けにされ、激しいキスの雨。だんだん抵抗しなくなってる自分がいる。
「無防備な愛がいけないんだよ?」
そう言ってあたしの体に手をかけようとしたその時、
〜♪
「でっ電話!出させて!」
空は少し考えてベットの隅に座る。
「つまんねぇの。」
あたしは携帯のディスプレイを確認する。
「もしもし、龍哉?」
その名前にピクッと反応する。
『もしもし愛か〜。いきなり電話ごめんな。今何してるかと思って。』
「何にもしてないよ−。てゆうか、今授業中じゃない?」
『ほらっ、俺見た目があの通りだから!愛こそ・・・あの男とおんのか?』
空を見ると視線を下に落として暇そうにしている。空の事言ってるんだよね?
「うん、一緒にいるよ。仲良いからさっ。」
『好きなん?』
「え?」
思わず聞き返してしまう。
『だって他の男と全然態度ちゃうやん?それに俺前にも告ったことあるんよ。その時は普通に振られけど、今回はOKしてくれたし?あいつが転校してきて愛って変わったやんな?』
空と関わってあたしが変わった。自分でも確かにそう感じていた。
「ははっ、でも好きとかじゃないよ。ただの、ただの友達!」
『そうかぁ、まぁいいや!今日一緒に帰られへん?』
「え・・・、今日?」
空があたしをギロっと睨む。
『あっ、無理ならいいんやけど…。』
「・・・ううんっ。大丈夫だよ!」
『ほんまかぁ?!じゃぁ放課後下駄箱で待っとくわぁ!』
「じゃぁ、また後でねっ。」
電話を切る。

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