空の声
「もぉ、泣かないでよ!」
「でも俺じゃ幸せにはできない。」
嬉しそうな泣き顔は、悲しそうな泣き顔へと変わった。涙目の泣き顔は、本当に切なそうであたしまでなんだか、泣きそうになってしまった。
「どういう、事?」
「もうすぐいなくなるから。」
「転校しちゃうって事?」
「違う。もう二度と会えない。」
あたしたちのやり取りは速かった。
「意味、わかんないよ。」
「でも、それまでは幸せにする!俺頑張るから!」
あたしは空の言葉もろくに聞かず、屋上をでた。
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