空の声
キィ−

この前までバタンッと開いた扉が古い音を立てる。工事のせいで扉が歪んでいた。
「天、、」
小屋の上に寝そべっている天がいた。あたしは隣に座る。
「たけるから聞いたよ。・・・空、綺麗だね。」
天の体には少しだけ雪が積もっていた。顔に降り注ぐ雪の結晶。
「寒いでしょ、いつからここにいたの?」
目を瞑ったまま何も答えない。
「ずっと、想っててくれたんだね。」
声が聞きたいよ。
その時、、天の姿が一瞬だけ・・・消えた。
「やだよぉ!!天っ、天!!ずっと一緒にいたい、いつもみたいに俺様になって、キスしてよ!」
寝ている天に抱きつく。
「あったかいよ、天。暖かい、、」
顔を近付ける。涙が天の顔に落ちる。
優しくキスをする。
あたしの頬に冷たい手があたる。
「愛?」
頬にある手を両手に包む。
「寒いでしょ?中には入ろう?」
「ここがいい。ここにいたいんだ。」
ムクッと起き上がる。
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