空の声
「学校ちゃんと戻ったの〜?、、あらお友達?」
「そうだよ・・・。」
一緒に暮らしていたのに、覚えていないなんて・・・。
「明日から冬休みなんだし、ラストスパートかけなさいよぉ!」
天の事を知らない人なんかと話したくない!
「愛、これ。」
部屋で小さな小包みを差し出す。
「な、にこれ?」
「開けて?」
箱の形で分かる。ぱかっと開けると、そこには

指輪が・・・。ただの指輪じゃない。
「ペアリング?」
「指かして。」
右手の薬指にリングを通す。
「愛もはめて?」
あたしはもう一つの大きいリングを天の指にはめる。涙が止まらない。内側にはあたしと天のイニシャルが彫られていた。
「あ、りがとうっっ。ピッタリだよ。」
「俺は愛の事なんでも知ってんのー♪」
「あたし、プレゼント用意してないよ、、」
あたしを見つめる。
「何もいらない。だけど、どうしても欲しいものが1つだけある。」
“命”そう言うのではないかと思った。だけど、天はあたしが困ることなんて言わないもんね。
「愛がほしい。」
「・・・っ、もらってくださいっ。」
ベットに横たわる。
「天、天は今生きているっ。」
「めりくり、愛。愛してる。」
「あたしもっ、あたしも、愛してる・・・!」

あたし達は確かにこの時1つになったんだ・・・。
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