空の声
「おい、起きろよ。バカップル。いつまで寝てるつもりだ?」
「んっん〜、うるさぁい。」
まだ眠い目を擦り起き上がる。隣にある温もり。
「っ?!何で天がいんの!!」
あたしの隣には天が寝ていた。
「愛、襲われたんじゃないの〜?」
からかうたける。
「ごめん、襲ったかもしんねぇ。」
そう言い起き上がる天。
「はっ?!」
「じょーだんじょーだん」
「朝から仲が良いねぇ。」
今日で最後だ。胸が苦しくてたまらない。
「俺、リビングに行ってくっから。」
気を遣ってくれてるのがわかった。ありがと、たける。
「愛♪んなしんみりすんなよ。」
甘い音が部屋に響く。
「寂しくないよ、だって、ずっと傍にいてくれるでしょ?」
「、、上等だ♪」
「ねぇ、屋上・・・、行こっか?」
玄関で
「いってら。」
「え?」
たけるも行くと思ってたのに見送りの言葉を掛けてくる。
「俺、空気よめる子なの。」
Vサインをする。
「天、また会おう。」
「、、おうよっ。」
「たける、ありがとう。」
マンションへと脚を進める。
マンションはもう元の形が分からないくらいに崩れていた。今も工事をしていてとてもじゃないけど屋上へは行けなかった。
「もうすぐ、なんだよね。」
やっぱり寂しいよ、、。
「なぁ、ゲーセン行ってプリ撮ろうぜっ。思い出作り♪」
「うんっ。」
3人で撮ったより、機械の中は広く変な感じがした。


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