空の声
「天顔変−。」
「うっせ、イケメンと呼べ!」
いっぱいいっぱいはしゃいだ。楽しんだ。
夜も近づいた頃、、
学校の校門の前、
「そ、ら・・・。」
天の姿が薄くなっていく。天は自分の体を見渡して言う。
「そろそろみてぇだな。」
お願い、そんなに明るく言わないで。
「辛いのは今だけだよね。だって、忘れっちゃうんだもん。」
涙で言葉が詰まる。
「だ、から、大丈夫。あたし、強く、、なるから。」
優しく頭を撫でてくれる天。
もう触られているという感覚はなかった。
「最後のお願い、聞いて?・・・キスして?」
確かに触れている唇なのに、何も感じない。
「俺からも、お願い。」
あたしの涙を拭う。自分だって泣いてるくせに・・・。
「笑って?」
「ばぁーか!!」
あたしはとびきりの笑顔を向けてやったんだ・・・。
< 76 / 82 >

この作品をシェア

pagetop