短編集『手紙』
【そんな人生はマッピラ御免だな】
ベルトを流れてくる枠にいつもと同じ部品をはめ込みながら僕は思った。
その日はすぐ昼休みになり、そしてあっという間に終業時間がやって来た。
【僕は何の為に生きてるんだろう】
2日にいっぺんは頭をよぎる疑問に、今日も答えを見出だせぬまま家路に付く。
「はぁ、疲れた」
いつものように弱音を吐いて、いつものように郵便受けを開いた。
バサバサとなだれ落ちてきたのは、相変わらず見当違いのDMやケータリングのチラシばかり。扉に貼り付けた合鍵は、これもガムテープでくっ付いたまま。
「サチ」
僕はハッと思い直し、要らない手紙をごみ箱に捨てると、残った一枚の封筒と対峙した。
「また来てる」
その差出人欄には最初と同じように『お前を誰よりも知っている男』とだけ書いてある。
「痛っ!」
また隣のガキの一輪車だ。今日こそは文句を言ってやる。
ドンドン ドンドンドン
「ちょっと佐伯さん、居ないんですか?」
ベルトを流れてくる枠にいつもと同じ部品をはめ込みながら僕は思った。
その日はすぐ昼休みになり、そしてあっという間に終業時間がやって来た。
【僕は何の為に生きてるんだろう】
2日にいっぺんは頭をよぎる疑問に、今日も答えを見出だせぬまま家路に付く。
「はぁ、疲れた」
いつものように弱音を吐いて、いつものように郵便受けを開いた。
バサバサとなだれ落ちてきたのは、相変わらず見当違いのDMやケータリングのチラシばかり。扉に貼り付けた合鍵は、これもガムテープでくっ付いたまま。
「サチ」
僕はハッと思い直し、要らない手紙をごみ箱に捨てると、残った一枚の封筒と対峙した。
「また来てる」
その差出人欄には最初と同じように『お前を誰よりも知っている男』とだけ書いてある。
「痛っ!」
また隣のガキの一輪車だ。今日こそは文句を言ってやる。
ドンドン ドンドンドン
「ちょっと佐伯さん、居ないんですか?」