短編集『手紙』
「なんの冗談だ?」
アイツは、自分の事を『俺』と言う『僕』は、なんと未来の『僕』だったんだ。
便箋はもう一枚に続いている。
つまりこれはタイムトラベル法違反の違法行為に当たる訳だな。
しかし俺は金が欲しい。今の生活なんて糞喰らえだ。だから過去のお前に頑張って貰おうという訳さ。
でも違法に過去へ戻るには莫大な裏金が要る。だから俺は手紙を選んだんだ。
おっと、お前にだってオイシイ思いはさせてやるぜ?
幸子なんて女はもう、これからのお前に取ってはゴミに等しい。これからのお前はどんどん金を生み出して最高の生活をし、最高の女を抱けるのさ。
楽しみにしてな。
草々
「な、な、な、なんだって!」
僕は文字通り飛び上がって驚いていた。
未来の『僕』は、何らかの手段を講じて今の『僕』を金持ちにすると言うんだ。
【しかし一体どうやって】
未来に取得される筈の特許を先取りするのか、ロトくじの当選番号を知らせてくるのか……。いずれにしても僕は、めくるめく未来にワクワクと胸を踊らせていた。
アイツは、自分の事を『俺』と言う『僕』は、なんと未来の『僕』だったんだ。
便箋はもう一枚に続いている。
つまりこれはタイムトラベル法違反の違法行為に当たる訳だな。
しかし俺は金が欲しい。今の生活なんて糞喰らえだ。だから過去のお前に頑張って貰おうという訳さ。
でも違法に過去へ戻るには莫大な裏金が要る。だから俺は手紙を選んだんだ。
おっと、お前にだってオイシイ思いはさせてやるぜ?
幸子なんて女はもう、これからのお前に取ってはゴミに等しい。これからのお前はどんどん金を生み出して最高の生活をし、最高の女を抱けるのさ。
楽しみにしてな。
草々
「な、な、な、なんだって!」
僕は文字通り飛び上がって驚いていた。
未来の『僕』は、何らかの手段を講じて今の『僕』を金持ちにすると言うんだ。
【しかし一体どうやって】
未来に取得される筈の特許を先取りするのか、ロトくじの当選番号を知らせてくるのか……。いずれにしても僕は、めくるめく未来にワクワクと胸を踊らせていた。