短編集『手紙』
前回と同じように煙と共に封筒から吐き出される、真っ黒な一枚紙に書かれた前文も末文も無い、用件のみの血文字の列。

一通だけなら只の悪戯と笑い飛ばすことも出来るが、これは悪質である。

一通目からきっかり10日後に来た二通目。正体不明の煙がこの世の物でないという演出を盛り上げている。

誰かが悪意でやっているのだとしても、些か手が込み過ぎてはいまいか。


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