短編集『手紙』
刻々と時は刻まれる、秒針はその動きを止めることは当然、間違っても遅れること無く、ただ淡々と同じリズムで進んでいく。

あと30分。

カラカラの喉は癒されることがないと解っていても水を欲する。

私はまたガブガブと水を飲み、深呼吸をしてはまた飲んだ。

あと20分。

心なしか視界がぼやけてきた。『人に非ず者』は私のすぐ側まで来ているのだろうか。


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