短編集『手紙』
新しい死刑執行の手引き。


終わり


ビデオの最後は、そんな装飾のない文字だけの画面で締め括られていた。

明るくなった室内で腕を組んでいた男は、苦虫を噛み潰したような顔で側近の男に零した。


「……またつまらん事をやり始めたもんだ。死刑執行まで仕分けられたら堪らんよ」


「まったくですな」


《おわり》


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