短編集『手紙』
翌日、また帰りに下駄箱を覗くと例の封筒が入っていた。

「どっから入って来てんだろうな」

「ウチはセキュリティ甘いし、誰でも入れんじゃね?」

「でも羨ましいな。俺には男からだって来ねぇし」

「俺も欲しいよ」

噂を聞き付けて更に3人、友人が加わっていた。

「行こう『みるく』行こう」

客が増えて恵比寿顔のママを尻目に、また開封した。

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│ 今日は階段で転びそうになりましたね。

│ 照れた貴方の顔がキュートで

│ キュン死にしそうになりました。

│ ああ

│ 貴方を抱き締めたい。

│ 私のこの胸を押し付けたい。


│  可奈子×××××


└───────────────────

「こいつ滅茶苦茶淫乱じゃね?」

「絶対巨乳だよ」

「やっべー、俺立ってきた」

「なんだよー、付き合っちゃえばいいじゃん」


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