短編集『手紙』
そして、無断欠勤をした国語の教師と連絡が取れないとの騒ぎになったある日。

┌───────────────────


│ 今日は良い天気だったよね。

│ そうそう

│ 貴方を叱ったあの国語教師。

│ 昨日キツく

│ 懲らしめておいたからネ。

│ 貴方に害を及ぼすものは

│ 私が許さないから。


│  可奈子×××××


└───────────────────

「おい、これはヤバくね?」

 その内容に青ざめる彼ら。

「何で国語のセンセって知ってるんだろ」

「転ばして捻挫でもさしたか?」

「捻挫で無断欠勤するなんてあり得ねぇ」

「もう山の中で腐ってたりして」

「まさかぁ!」

「ああママ、そのピザ俺の」

例に依って『みるく』に集まり与太話に花をさかせている彼ら。

何気なく友人が言った言葉を裏付けるように、その日以降国語の教師は学校に来なくなった。


< 62 / 76 >

この作品をシェア

pagetop