短編集『手紙』
1枚1枚足元に落ち、山を成していく彼女の衣装。

そして目の前に現れたのはガーターベルトとストッキングだけを着けた、完璧なプロポーションの裸体だった。

「可奈子。凄いよ。もう俺のがこんなになってる」

いつものように、空を向いていきり立った若い昂りを隠そうともせず、彼はそれを可奈子に誇示した。

「私の裸でこんなになっちゃったの?」

可奈子は彼を押し倒すと、彼の昂りを口に含んだ。

「ああっ、可奈子! ……えっ?」

襲い来る快感で思わず可奈子の背中に回した腕に、妙な違和感を感じた彼は、驚いて彼女を見詰めた。

「ああ、解った? 私の背中、酷いのよ」

そして立ち上がり、背中を見せた可奈子を見て、彼の昂りは哀れ小さく縮こまっていた。


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