短編集『手紙』
彼女の背中。首の後ろからかかとに至るまでの一面は、醜くケロイド状に焼けただれ、溢れ出た体液がヌラヌラと光っている。

「後悔はしないって言ったわよね!」

「で、でも」

「貴方は私に嘘をついたの?」

「いや、それは」

「私は貴方に害をなすモノは許さないと言ったけど、それより許せないモノがある」

可奈子はゆっくり振り返りながら言う。

「それは、私を傷付けるモノよ!」

「!!……!……、……」


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